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section 10
   
   
 
   
 
    いやあ久しぶりっ!
やっと帰ってきました。誰がって、朱門君(管理者)ですよ。
これからまたこのコーナーも再開です!

今回は、初のライブレポートを。

9/17  KOIWAI ROCK FARM

その名のとおり、小岩井農場での野外ロックイベント。
出演者は、
                       
 <オープニングアクト>
 COIL/PLAGUES
           
 ・THE COLLECTERS
 ・真心ブラザーズ
 ・GRAPEVINE
 ・ORIGINAL LOVE
 ・MOONRIDERS
           
そ、そしてご隠居、もとい、御大!
モッドファザー!!
             
・PAUL WELLER

 実は私、生ポール・ウェラーを見るのは初めてで、期待に胸を膨らませつつも、この日は朝から小雨がパラつく嫌〜な空模様。雨に備えナイロンパーカを携帯し用意していた花柄の長袖シャツでおめかしするのはあきらめる。行きの車の中でも天気だけが心配のタネ。
 しかし、誰が晴れ男なのか、日本人最後の出演バンド、ムーンライダースが終 わるまでなんとかもちこたえてくれて(小雨がパラつく程度で、特に雨具の必要もなく)一安心。
 あとは、ウェラー登場に備え、ステージ中央の最前列へ(行きたかったが3列目が限界)!
 他の出演者よりも、クルーの数も時間も多くとっていたはずのウェラーのステージセッティングだが、それにしても遅い!あまりに時間がかかるので、ウェラーのパパがクルーに激をとばす!
 日も暮れかけて、心地よい風がふき始めた頃、やっとウェラーの登場!
 この日のポールは、青地に大柄の花模様のシャツに黒のスラックス姿。ちきしょう、俺も花柄のシャツを着てくりゃよかった・・・。)
 そして待ちわびたファンの大歓声に「こんばんは」と応えると、<SUNFLOWER>でライブをスタート。(マーシャルアンプの上には、ひまわりが一輪。にくい演出!)
 会場は、1曲目から大合唱状態!ノリの良い今夜の客に気を良くしたのか、ウェラーもニコニコ笑顔でうなずく。私も自分のことのように熱くなってしまう。
 次々アップビートなナンバーを連発し、一気にノせにかかる。会場もますますヒートアップ!
 今日のウェラーはとにかくヴォーカルに気迫がこもっている。引退を噂される40過ぎの男とはとうてい考えられない熱演。そして時折みせる笑顔が、ファンにはたまらない。ウェラー自身ノッているのが、こちらにも伝わってくる。
 <PEACOCK SUIT>で前半部のピークをむかえ、ひとしきり盛り上がると、最新アルバムからの<FRIGHTENED>で、SGからピアノに持ちかえ。美しくも穏やかな曲で聴かせにはいる。
 しかし鍵盤に向かうウェラーの横顔も絵になるが、本当はSGやテレキャスをかきならす(さすがに最近はリッケンバッカー使わないなぁ)ウェラーの姿を見たいのだ。今日もウェラーはピートタウンゼントばりの大旋風ギターストロークや、S.マリオットばりのクイックなアクションを見せてくれた。それがまた、身体にしみついているかのように自然なのだ。クールにターンも決めていた。私個人は、目を閉じ首を左右に振って、悦に入ってギターを弾くウェラーもお気に入りだったりする。
 中盤最大のみどころは、やはり<HEAVY SOUL>。重くのしかかる魂を絞り出すようなヴォーカルとともにアドリブのギタープレイもみものだった。  
 <BROKEN STONES>の曲前のMCでは、前列の誰かを指さし、なんと「この曲を君に!」とつぶやくウェラー。よほどゴキゲンなのだろう。
 そして、この日のハイライトとも言える<PICKING UP STICKS>。なんと言ってもスティーブ・ホワイトのドラムソロ!パワフルなプレイに複雑なリズムも絡ませてくる。ウェラーもサンバホイッスルで盛り立てる。スティーブがノってくるとウェラーはステージわきにはけ、赤ワインを口にしつつスモーキング。ベースのエドガーもアンプの陰に引っ込んでしまう。しかし、煙草を1本吸い終わっても、スティーブのドラムは止まらない。ようやく曲に戻ると、エドガーは、なんと羊のかぶりもので登場!(小岩井農場にちなんでくれたのだ。)曲が終わると「スティーブ!スティーブ!」の大歓声!
 エンディングに向けて畳み掛けるかのような<PORCELAIN GODS>。ギターソロを長めにとったアレンジでは、観客をおおいに沸かせてくれた。激しくも老練なプレイには熱くさせられたと同時に、私など単純に「ライブでもギターうまいな。」と関心してしまう。(ワウペダルの調子が悪く、クルーに怒りをぶつける一幕もあったが、後の演奏には支障無し。)
 ラストナンバー<WILD WOOD>でほてった観客をクールダウン。日も暮れた小岩井の空に、ウェラーの歌声と12弦ギターの切なくも優しい音色がしっとりとしみわたる・・・。観客が余韻に浸っている間にウェラーは去って行った。
 ウェラーはアンコールにもニコやかな笑顔で応えてくれた。<EOODCUTTERSSON>。ここでは、エピフォンのほかに熱〜いブルースハープも披露。しまいには、タンバリンで煽りまくって、興奮のあまりたたきつけて割ってしまう。エキサイトするウェラー!
 本当に迫力のあるライブだった。まさに入魂のパフォーマンス。 
 ステージはドラムセットが近く、左右にオルガンとアップライトピアノ、エレピを配するコの字型のギュッと凝縮したようなセッティング。最小限の4人(ドラム、ベース、オルガン、そしてギター、ピアノ、エレピ&ヴォーカルのウェラー)だからこその締まったバンドサウンドだったのだろう。(オーシャンカラーシーンのスティーブ・クラドックが来なかったのは、ちょっと残念だったが。)
余談だが、ベースのエドガーは演奏前に、ソフトクリーム売場で私の前に並んでいたのだ。どうやらファンの女の子につかまって、小岩井ソフトをおごってもらっていたようだった(笑)。
 最近、雑誌などでは、ウェラーがしわしわの老け込んだ顔に写っていることがあるので、内心心配だったが、生で見る彼は若かった!凛とした佇まいで貫禄すら醸し出していたが、勢いがあってエネルギッシュだった。この人は歳をとってなお、力強くて本当にいい声になったと感じる。
 自分の音楽を頑固なまでにひたすら追求するウェラー。その生き様と、母国イギリスでの尊敬され、信頼される姿から、ジョン・レノンに例える人もいるが・・・。ジョンは神がかって遠くへ行ってしまった。しかしウェラーは、目の前にいた。やっぱり「兄貴!」なのだ。
 自分のことをいまだに「ウォーキング出身のただのモッズ。」と言ってしまうウェラー、ゴールなんてまだまだ遠い先のことなのだろう。
 ・・・帰りの車を走らせて間もなく、どしゃぶりの雨に見舞われた。この日は天も彼のライブを最後まで見届けるため、我慢してくれていたのだろう。
 信念をもって音楽に生きる男の気迫のこもったヴァイブレーション、しかと受け取った!
 
 <演奏曲>
Sunflower
Friday Street
Out Of Sinking
Peacock Suit
Frightened
You Do Something To Me
There's No Drinking After You Dead
Heavy Soul
Broken Stones
Picking Up Sticks
The Changing Man
Porcelain Gods
Wild Wood

(アンコール)
Woodcutters Son


そんじゃまた。アディオス!

ヒロシックス