みなさん、前回のこのコーナーに沢山のメールありがとうございました。たいへん参考になりました。これからも応援よろしくおねがいします。

　では、前回のつづきを・・・

「貧乏レコード収集ノスゝメ」後編

・・・話は、８年前にさかのぼります。
　近所の古本屋に初めて足を踏み入れたとき、私は思わず「しめたっ！」
とつぶやきました。何が「しめたっ！」のかって・・・
店の壁中、ところ狭しとレコジャケがはりつけてあったのですから。Ｓワンダー、アース、ビートルズからレアな和物７インチまで・・・。
　
　店は民家を改造した風なちょっと特殊な環境で、レコードコーナーも一段高くなった畳敷き。横座りでねじれる腰の痛みをも我慢させるほどの商品の充実ぶりではありました。
　
　私は、スタックスのコンピ等７、８枚ピックし、レジ（これまた一段高くなった畳敷き）で、あぐらをかいて居眠りする店主のおじいさんに声をかけました。その私の視線の先には、店主の背後にずらりと並ぶレコードの山！山！山！
　店主にレコードを手渡しつつ、これこれこういう物を探している、と伝えると、「探しておきますよ！」と気の良い返事。
　
　好感触！とよんだ私は、後日ウォントリストを持って、その店を再訪
しました。すると店主は、「友人に頼んで集めておきましたよ！」と私が要望した和物の７インチ達を、おもむろにさし出しました。青山ミチ、朱里エイコ、江利チエミetc,etc・・・。よだれモンばっかです。
　彼も商売っ気を出しはじめたのか
「こんなのは、どうでしょう？！」
とあれこれすすめてくるのです。私が
「聴いてみないとわからないから、聴かせて貰えませんか？」
とお願いすると、困ったように店主は、
「それは、ちょっと・・・。」
当たり前です。そこにはラジオが一台あるだけ。視聴設備なんて・・・。 　ちょっぴり反省しつつ、リストをお願いして、その日はひきあげました。

　後日、店主から入荷の電話が入り、私が店に顔をだすと、やはり色々と
集めておいてくれました。ヒートウェイブ、シェリルリン等々・・・。あれこれ迷っている私に、信じられない言葉が！
「聴いてみますか？」
なんと、そこにはレコードプレーヤーがあるでは！！
おじさんが笑顔で・・・
目頭が熱く・・・。
　私の熱意の勝利です！
　　　　　　　　　　　　　
　この店では、良い買い物を沢山させていただきました。ナンシーウィルソン、ロバータフラッグ、ボーイズタウンギャング、シャラマーetc,etc・・・。
和物も、リズム歌謡、ＧＳ、ルパン等々・・・。枚挙にいとまがないほど。

おじさん、ありがとう！
　
しかし、良いことばかりじゃありません。中古、リサイクル、ディスカウントをキーワードにレコード探しをする場合、以下のリスクを頭に入れなければ。

一、今欲しい！という本命がみつかることは、まずないでしょう。
　　ダークホース的に掘り出し物がみつかるといった程度。

一、保存状態が悪いのは、あたりまえ！
　　ジャケはボロボロ、ジャケなし、まれに中身違いも。
　　盤状態も同様。チリノイズは、我慢が基本。

一、私もそうなのですが、アレルギーの人は、要注意！
　　埃で、鼻はぐすぐす、手も真っ黒。ティッシュ必携！

一、安物買いの銭失い！
　　安さに負けて無駄なものを買いすぎたりしないように。
（私も過去によくやりました。＜宝塚ボサノバ＞＜スリだ〜！＞＜世界の戦略兵器＞etc,etc・・・）

一、最後に、一番恐いのが、何もない！こと。
　　めぼしいものが・・・妥協しても・・・
　　わ〜〜〜っ今までの苦労はなんだったんだ〜〜〜！

　いやあ、前回の冒頭文の威勢はどこいったんでしょう？！まあ宝探しのつもりで、釣りするみたいにのんびりと。
　暇のある貧乏人に捧げます。

　というわけで、アディオス！！

ヒロシックス